以前Twitterで「日本酒の知識がないのにこんな良いお酒飲んでいいのかな・・・」という主旨のツイートがありまして。
たぶんこの「知識がないから・・・」と言った方は知識がある方からの
「知識がないくせにイイ酒飲みやがって。本当に味わかって飲んでんのか?」
みたいな視線を気にしているのではないでしょうか。
知識がないから何かと遠慮してしまう、というのは本当にもったいないと思うんですね!もちろん何かを始める前に予習したりするのは良い事だとは思いますし、だからこそこんなバー入門のブログを書いていたりもしますが、知識がない、または初心者のうちは遠慮がちになったり、肩身を狭い思いをしなければいけないとか、逆に知識がある方が大きな顔をできるということであれば、それは違うと思います。
今回はたまたま日本酒に関するツイート、ひいてはお酒に関することとしてのリツイートでしたが、初心者と、ある程度知識・経験のあるファン層(便宜上マニアとします)の間にある問題は、とくに人気があり、かつ趣味性の高いカテゴリーにおいて発生しやすいですね。
・サッカー
・野球
・バンドやアイドルなどの音楽グループ
・ゲーム
などのニュースにおいてはコメント欄やSNS上でマニアの方が初心者に対し「わかってねえなあ」というマウンティングをする光景がお決まりとなっています。顔の見えない相手なのでたとえ実際には初心者かどうかわからなくても自分と違う意見に対し「これだからニワカは・・・」とやったりします。それに対しニワカとされた側でも「これだから懐古厨のおっさんは・・・」と反撃したりします。
まあネット上のやりとりなので、いつものことですねと冷めた目で眺める事が多いのですが、それがバーやお酒の話で、もし仮に自分のお店でそれが展開されるとしたら、もちろん黙っているわけにはいきません。
核心を申しますと、商品の提供側からすると、その提供する物品・サービス・パフォーマンスを良いと思うのなら
「それに対してお金を払ってください」
というのがとにかく一番です。知識やら、物語を語るのは二の次です。払っていただくお金の価値にニワカもマニアも関係ありません。
「お金を払え」というのはなかなか表立って言い出しにくいことではありますが、何かを始めたり維持するときに「財源、財源」としつこく言われるように、お金がなければ物事を始めることも、維持することもできません。より良いものを作ろうとするなら尚のこと。
なので、先にその産業に詳しくなったマニア層がライトユーザー層をニワカと言って居づらくすることは、あってはならないことのです。一般にライトユーザーの方が多いのでお金を使う総額も多いですし、ライトユーザーも未来のマニア層だからです。
それを、自分が気持ちよくなりたいがためにマウンティングするということは、お金を落とすライトユーザーを減少させ、その産業を衰退させることに繋がります。つまりマウンティングをするマニア自身が、自分の得意分野を無くしているようなものです。
バーに関して言えば、常連さんが常に大きな顔をしていて、初めての方を歓迎せずに居づらくさせているようなものです。それがまかりとおるバーは新規客がリピーター、常連にならず、常連には飽きられ、それでいて常連により多くのお金を使ってもらわなければ経営が成り立たなくなり、やがて全体の客数が減り、衰退していき、その常連さんの居場所も無くなるということです。
マニア層は、その界隈が好きならば新たにお金を落とす層を歓迎しなければなりません。お店から好かれるお客様というのは、その辺もわかっている方々です。
初心者の方も、遠慮や恐縮をすることなく、どんどん楽しんでいただければと思います。ニワカファンがどれだけ定着してくれるかに、その業界やお店の命運がかかっているといっても過言ではありません。
最後に知識に関して。
お客様の中でも、店の人間よりも知識が豊富な方はたくさんいらっしゃいます。
しかし、「その知識の使い方」に長けた方はそう多くありません。
プロは知識があるのみならず、その使い方も考慮していますし、一層磨きをかけなければと思っています。
なんだか今回は(今回も?)説教くさくなりました。以上!
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