《ショットバー》Shot Bar
ショットバーのバーはわかるけど、ショットってなんなんでしょうか。
正解は1ショット(1杯)、のショット。
一杯売りバーということ。
え、バーって普通1杯ずつ出てきますよね、2杯も3杯も同時に出てこない…
まあこれは昭和の名残で、昔はバー=今で言うクラブ、キャバクラやスナックのようなものだったこと、あるいは区別があいまいだったこともあるそうです。なのでお酒は基本ボトルから注ぐ形。ハウスボトルにせよ、注文してボトルキープしたものにせよ、グラス1杯いくらという形の課金はされていなかった訳です。
それから時代が進み、毎回毎回ボトルでは消費者のニーズに合致しない面も出てきたのでグラス売りしますよという形態が登場しました。それがこのショットバーです。
恐らく日本の個人経営のバーでは一番多い形態なのではないでしょうか。従ってその姿は千差万別。ほとんどオーセンティックバーといっても差し支えない雰囲気や技量を備えたお店(しかし店主が堅苦しいイメージのオーセンティックバーと呼ばれることを好まないことが多い)から、カジュアルで入りやすく万人受けするお店、そしていかにもスナック時代の名残があるような常連さんメイン、上級者向け?と思われるお店までがショットバーの定義に入るでしょう。
もちろんこれら3タイプに明確に色分けできるものではなく、それぞれの中間に位置するお店や、それぞれの要素を併せ持ったお店、そしてタイミングによりそのモードが変化するお店など、本当に様々な顔が存在します。これもバーならではの面白いところです。
こうして玉石混交、しかも何が玉で何が石かはお客様によって、その時のお客様の気分によって変わる様々なバーというものが登場したために、玉石混交でない格式の高いバーは「正統な」「本来あるべき」バー、つまりオーセンティックバーとして区分けされるようになったのだと思われます。
例えば、技術のある店主がいるショットバーがあるとして、アシスタントをしている技術はそれほどない女性が店主の代わりにお店を切り盛りするとき、「今日はスナック〇〇(女性の下の名前)でーす☆」などとやったすることもあり、普段とは変化がつくので喜ぶ常連様もかなりいらっしゃいますが、オーセンティックバーではなかなか許されません。話の中で幾分自虐じみたネタのように「え?ウチ?スナック(もしくは居酒屋)ですけど?」というようなこともあるかもしれませんが、それはオーセンティックバーと自他共に認められているからこそネタになるわけです。
そうしてみると、バーに入りにくいという理由がここにもありそうです。
「Barと書いてはいるものの、どんなバーかわからない」
そうなんです。わからないのです。でもそれでいいのです。
どんなバーがわかって欲しい、出来るだけ気軽に来て欲しいというバーは店頭に料金表や店内の様子を映した写真を掲示していたりしますし、逆に店頭からして無愛想、というところもあります。まずは料金の書いてあるお店からチャレンジして、そのお店で話の一環として「あの入りにくいお店ってどういうお店なんですか?」とバーテンダーさんなり周りのお客さんなりに聞いてみるというのも良いと思います。「あそこはね…、」と返ってくるかもしれませんし、「いや、自分も入りづらい…わかる(笑)」となるかもしれません。それはそれで話題になりますし、新たに来たお客様に皆で聞きまくる(節度の範囲内で…この節度はバーテンダーさんがコントロールしてくれるはずです)のも一興です。
多少主旨から話が逸れましたが、多種多様なタイプがあり、またそれらを横断する自由さがあるのが「ショットバー」と言われる形態の一番の特徴です。
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