他のお客様との付き合い方

バーのマナー

バーにおける、他のお客様との付き合い方。

 なかなか難しい問題ですが、基本は「相手を尊重する」「空間を尊重する」です。
当たり前のこととして、信頼関係が出来るまでは相手の好みの飲み物を否定的に言ったりしてはいけませんし、大人として不躾な行動や言動は控えたいものです。もちろん良識ある大人ならばそんなことはしませんが、お酒が入るとついついタガが緩んでしまうというのは個人差はあれど誰しも経験のあることではないでしょうか。

 バーで一緒になるのは「あくまで他人」という姿勢が重要です。もちろん必要以上に距離をおく必要はないのですが、「たまたま同じ店にいた、関係のない人」であるため利害関係がなくその点では気を遣わずにすむため心地よいのです。

 上司や先輩を立てなければならない、部下や後輩に見栄を張らなければならない、友人同士や恋人同士で飲んでいても話せることとそうでないことがある…バーに行く年齢になれば、こんなことはしょっちゅうありますよね。

 しかしバーで隣り合った人であれば、そんなことは気にする必要はありません。もし会社や交際相手の愚痴をいったとしても、それを密告するひとはいません。

 一方で、最初は気心がしれた中ではないのですから、そこは配慮しなければならないということです。そこが難しいところですし、人として勉強になるところでしょう。

 そんな時にやはり活躍するのが潤滑油としてのお酒です。

 もちろん喋りやすくなる作用はありますし、そして少し行き過ぎた表現があったとしても、なんとなく許容できてしまう。そして本当に行き過ぎになりそうなときはバーテンダーが止めてくれます。バーテンダーの仕事は、潤滑油の供給量の調整でもあります。

 そうはいっても同じ店に通うようになれば、ずっと「あくまで他人」「たまたま同じ店にいた、関係のない人」という関係でいられるものではありません。そのお店との付き合いが長くなり、皆がお互いを常連客として認知するようになれば、距離は自ずと縮まっていきますし、だんだんと「友人」と言えるような存在になっていきます。それはもちろん素晴らしいことである一方、距離が縮まりすぎたが故に、何か店の中で失態を犯してしまった時などにその噂が広まってしまったりと、ネガティブな面も出てきてしまいます。

 ですので、最初はもちろん、親しくなってからも、あくまで礼儀正しく振る舞うというのが大事です。バーの空間にいるのは「友人」と呼べる常連客だけとは限らないのですから。

コメント

タイトルとURLをコピーしました